古いPCに Windows11 をインストールしようとすると表示されるこのメッセージ。
Windows11 の推奨環境がかなりあがったことで、少し古めのハードウェアは軒並みアップグレードの対象から外れてしまいました。
最新のハードウェアや自作PCは問題ないと思いますが、数年前に買ったハードウェアが対象外だった場合… さらに買い直しというのはオサイフにキビシイのが現実です。
これまでも、この制限を解除する方法はいくつかありました。
今まで 古いPCに Windows11をインストールまたはアップグレードする場合の方法は2つ。
- レジストリを書き換えてインストール(Microsoft 公式の情報あり)
- インストールメディアを改造してインストール
レジストリ書き換えの方法は、それでもTPM1.2など何かしらのTPMが必要でしたし、インストールメディアの改造は上手くいかない場合もありました。
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Rufus を使うと簡単に制限解除のUSBメディアが作れる
残念だと思っていたら、Ubuntu や AlmaLinuxなどの USBインストールメディアを作るときに使っている Rufus で、Windowsのインストールメディアを作ると、偶然にWindows11の制限を回避したメディアを作れることを知りました。
実は、第11世代のCPUの Windows10 に新規に Windows11 をインストールするために、ISOからメディアを作ったのですが、この時に「オプション画面」が表示されて気がついたんです。
今回は実験もかねて、現状 実用ギリギリのラインと思われる 第4世代のノートPC(Acer E5-571 Core i3-4005U)をWindows11にアップグレードしてみました。
このAcer E5-571は、7,8年以上前に メモリーを2GBから16GBへ増設、HDDを1TGのSSDに換装してあります。
それも、今回は新規インストールではなく アプリケーションやユーザーデータを残したままでアップグレード してみます。
Windows11 へのアップグレード の前に
WIndows10 を Windows11 にアップグレードする前には、今使っている Windows10 の Windows Update を全て実行しておきます。
Windows10 の Windows Update を全てかけておかないと、後々 面倒な状態になりますので、時間はかかりますが全てアップデートしてください。
アップグレード前にやること(修復ディスクとバックアップ)
古いPCをアップグレードするときだけではないですが、アップグレードをする前には必ずデータのバックアップと修復ディスクを作ってください。
もし、Windows11 へのアップグレードに失敗しても、修復ディスクで Windows10 に戻して、バックアップしたデータを書き戻すことで被害を最小限にできます。
Rufus で Windows11 インストールメディアを作る
制限解除のWindows11インストールメディアを作成するには、次のようなものが必要になります。
- USBメモリー 16GB程度
- Rufus
- Windows11 インストールISOイメージ
Rufusは公式サイトからダウンロードしてきます。最新のバージョンで問題ありません。
Windows11 カスタマイズは、3.19(2022.07.01) リリースで実装されたようです。
<Rufus公式サイトのリンク>
Rufus
Windows11 のインストールISOは、Microsoft のサイトからダウンロードしてきます。
Windows11 ダウンロード
「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」から ISOファイルをダウンロードします。
準備ができたら Rufus を起動して、Windows11のインストールISOファイルを指定して、「スタート」でUSBメモリーに書き込みを開始します。
書き込みを開始しようとすると、「Windowsユーザーエクスペリアンス」ダイアログボックスが表示されます。
ここで必要な内容にチェックを付けます。
最低でも、以下の項目にチェックを入れます。
- 4GB以上のRAM、セキュアブート及びTPM2.0の要件を削除
- データ収集を無効化
- BitLocker自動デバイス暗号化を無効化します
後は USBメモリーの書き込みが終わるのを待つだけ。
いよいよ Windows11 へのアップグレード
USBメモリーができあがり、全てのWindows Update が終わったら、Rufus や他のアプリケーションを終了して、USBメモリーの中の setup.exe を実行します。
インストールの途中で1つ注意点があります。
最初の「Windows11 のインストール」という画面で、すぐに「次へ」をクリックせずにオプションを設定します。
まずは「セットアップの更新プログラムのダウンロード方法の変更」を選択します。
「更新プログラム、ドライバー、オプション機能の入手」という画面が出てきますので、ここで「今は実行しない」を選択します。
インストール中に更新したインストーラーのモジュールをアップデートしてしまうと、せっかくの制限解除のインストーラーが無駄になってしまいます。
好みに合わせて「インストール品質向上に協力する」のチェックは選択してください。
この設定が終わったら「次へ」を選択します。
後は流れに沿ってインストールをすすめると Windows11にアップグレードできます。
今回の環境では、1回目のアップグレードは失敗してWindows10に戻りました。
Windows10が正常なことを確認して、もう一度 setup.exeを実行して Windows11のアップグレードをすると成功しました。何回か試してみると上手くいくパターンもあるようです。ネットワークの通信状態も関係したかもしれませんが、詳細は不明です。
実際にアップグレードした 第4世代 Acer ノートPC
実際にアップグレードが完了した ノートPCが、こちらになります。
CPUを見ると Core i3 4005U で、Windows11 が動作しています。
起動時から安定するまで CPU が100%になる時間がありますが、安定してくれば Windows10 の時に比べて、極端に重くなったなどの感じはありません。
ただし、このノートPCは メモリーを16GB にして、SSDに換装しています。
8GB以下の少ないメモリーやHDDの環境では、おそらくまともに使うのは難しいでしょう。