長年使ってきた MacBook Pro(2011)ですが、macOSのサポートが終わりアップグレードの対象から外れました。
このモデルは裏ぶたをはずすとメモリーとHDD(SSD)の交換ができるので、パーツを交換して快適な環境になっています。
今となってはCPUの非力さはありますが、まだまだ動くハードウエア。 ただ macOS のサポートが切れてしまっては、そのまま使うのも不安があります。
MacBook Pro (15-inch, Late 2011)
- 2.2GHz クアッドコアIntel Core i7プロセッサ
- メモリー 16GB (換装済み)
- SSD 1TB (換装済み)
- AirMac Extreme Wi-Fiワイヤレスネットワーク IEEE 802.11n規格準拠, IEEE 802.11a/b/g
- Bluetooth 2.1 + EDR (Enhanced Data Rate)
- 10/100/1000BASE-TギガビットEthernetを標準装備(RJ-45コネクタ)
- USB2.0ポート x2
- SDXCカードスロット
- オーディオ 入出力
- DVD-R スロットイン ドライブ
あまりタフな作業をしなければ、十分に使える環境です。
このハードを使い続けるには…
- Windows10(Windows11)をインストールする
- Ubuntu をいれて環境を作り直す
Windows10は、簡単にインストールできますし、他のノートPCもありますので、今回は Ubuntu 20.04 LTS をインストールして macOS風の環境で再利用しました。
Adobeなどのアプリは動きませんが、普段使うアプリの環境も Ubuntu で整えたいと思います。
Table of Contents
MacBook Pro に Ubuntu 20.04 LTS をインストール
今回はOSのサポート期間が長い Ubuntu Desktop 20.04 LTS をインストールします。
偶数年の春には、OSのサポート期間の長い Long Time Support(LTS) がリリースされますので、2022年4月くらいには次のLTSが出ると思います。
今回は環境の整っている 20.04 をベースにしました。
リリースをみると、Ubuntu Desktop 22.04 LTS は、20.04 からアップグレードできるようなので、アップグレード(2022年夏くらい?)まで環境を整えながら待ちたいと思います。
USBメモリーから Ubuntu をインストール
先ほどの Ubuntu WEBサイトから Ubuntu Desktop 20.04 LTS の ISOイメージをダウンロードします。
ダウンロードした ISOファイルを USBメモリーに書き込みます。
Windows であれば rufus や Etcer など、macOSであれば Etcer などのアプリを使用します。
Ubuntu Desktop の USBメモリーができあがったら MacBook Pro に接続して Ubuntu をインストールします。
MacBook ハード専用の設定
Ubuntu Desktop 20.04 をインストールすると Ubuntu を使うことはできますが、いくつかMacBookのハードでの不都合があります。
本格的なカスタマイズを始める前に、この使いにくい部分を修正していきます。
主な修正点は、次の通り。
- MacBook ProのAppleキーボードのキーをすべて使えるように設定する
- 「英数」「かな」で日本語変換できるようにする
- Command キーを CTLキーとして使用できるようにする
Appleキーボードの基本設定
まずは Appleキーボードのすべてのキーが認識できるように設定を変更します。
キーボード設定をするには、ターミナルから以下のコマンドを実行します。
1 2 | sudo dpkg-reconfigure keyboard-configuration |
keyboard-configuration で、Apple Aluminium (JIS)を選択します。
Mozc 設定を修正する
Ubuntuで使用する日本語入力ソフトの Mozc の設定を変更します。
以下のコマンドで、mozc 設定を編集します。
1 2 | sudo gedit /usr/share/ibus/component/mozc.xml |
1 2 3 | <layout>deafult</layout> ↓ <layout>jp</layout> |
設定を書き換えたら、保存して Ubuntu を再起動します。
英数・かな キーで変換を設定する
これまでの設定で Appleキーボードのキーが認識されるようになったので、英数・かなキーで日本の変換ができるように設定します。
「言語ボタン → キーボードレイアウトを表示」して、「英数」と「かな」のキーを押して反応するかを確認します。
実際に押してみると次のように反応が逆になっています。
- 「英数」キーを押すと Hiragana が反応
- 「かな」キーを押すと Eisu が反応
逆に反応しているのが気持ちが良くはありませんが、キーが反応していますので、そのまま設定していきます。
Mozc → ツール → プロパティ の「キー設定の編集」を選択します。
以下のキー設定を変更していきます。
CommandキーをCTLキーに設定
Commandキーを CTRLキーに設定するには「Tweak」を使用します。
1 2 | sudo apt install gnome-tweak-tool |
Tweakをインストールしたら Tweak を起動して設定します。
Tweaks → キーボード → 追加のレイアウトオプション で次の画面を表示します。
「Alt/Winキーの動作」で「Ctrls mapped to win and the usual Ctrl keys」を指定します。
ここまでで MacBook Pro の Ubuntu Desktop 基本設定が完了となります。
マウスとタッチパッドのスクロール変更
必須ではありませんが、macOSになれている人は マウスのホイールとタッチパッドの方向が逆です。
これを 設定 で変更しておくと良いでしょう。
スクリーンショットのショートカットの設定
これも本当に必要な方のみですが、この記事を書くときに必要になるショートカットでのスクリーンショットを設定しました。
これも同じように「設定」で指定します。
macOS風のカスタマイズ
MacBook Pro で Ubuntu Desktopが普通に使えるようになったので、macOS風に使えるようにカスタマイズします。
- Dockを macOS風に変更
- デスクトップのテーマとアイコンを macOS風に変更
これらの設定をして、MacBook Pro にいれた Ubuntu Desktop は、こんな感じになりました。
Dock を macOS 風にする
外観 の Dock の位置を「下に」設定変更します。
アイコンの大きさも 24 くらいに変更しておくと邪魔になりません。
Dockの幅を変更
Dock の幅を登録しているアイコンのサイズに変更します。
1 | gsettings set org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock extend-height false |
アプリケーションボタンを左端によせる
1 | gsettings set org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-apps-at-top true |
Dock にゴミ箱を追加
1 | gsettings set org.gnome.shell.extensions.dash-to-dock show-trash true |
macOS 風 テーマ・アイコンのインストール
最後に Tweak を使って macOS風のテーマとアイコンをインストールして完成です。
使ったテーマとアイコンは次の通り。
McOS-themes
Mc-OS-CTLina-Gnome-Dark-1.3.2.tar.xz
OS Catalina
Os-Catalina.tar.xz
- ホーム(~/)に.icons と .themes ディレクトリを作成
- テーマファイルをホームの.themes ディレクトリに展開
- アイコンファイルをホームの.icons ディレクトリに展開
gnome-tweaks でテーマとアイコンを指定します。
設定した後は、テーマとアイコンを反映するため Ubuntuを再起動します。
これで macOS 風 Ubuntu Desktop 環境が完成しました。
Ubuntu Desktop 20.04 LTSは、2025年までサポート。2022年にリリース予定の 22.04 LTS は 2027年までサポート予定ですので、かなり長く使える環境になります。
Ubuntu なので、画像編集や動画編集, ビデオ配信,開発言語や Visual Studio Codeなどのアプリもそろっていますので、環境を整えて使い倒していきます。